料理人や飲食店の想いは決して変わらない。"ヒトサラ" のプロダクトディレクターが語る、アフターコロナにおける新しい食事体験の探求とグルメメディアの真価。

USEN-NEXT GROUPは「時代の進化を加速させる」ために、世の中から必要とされるサービスやイノベーションの創造を目指して様々な取り組みをしています。2021年1月時点で23の事業会社を抱え、BGM配信のUSENや映像配信のU-NEXTを始めとした、多様なサービスを展開しています。

今回はその中でも、飲食店を対象としたメディア・サービスの企画・運営を行うUSEN Mediaにて、「ヒトサラ」を中心としたアプリの機能開発や、メディアプロダクトのプロジェクトでディレクターを務めている社員を紹介します。

PROFILE

黒田 隼平(Shunpei Kuroda)

株式会社 USEN Media
2015年 新卒入社

自分の持ち場を全うし、連携プレーで “No.1 Quality” を目指す。

――― USEN Mediaはどのような会社でしょうか?

USEN Mediaは、『飲食店の今と未来に貢献する』というミッションのもと、料理人の顔が見えるグルメメディア「ヒトサラ」などのメディアを運営しています。

「ヒトサラ」は、デートや接待などでもお使いいただけるようなお店を掲載しているのも特徴で、「料理人の方が、どのような想いでそのお食事を提供しているか」を伝えることにフォーカスしています。そのため、掲載している記事のクオリティを高めるために、プロのカメラマンさんやライターさんにご協力いただきながら記事を制作しています。

他にも、訪日外国人向けグルメサイト「SAVOR JAPAN」や、プロの料理人がお気に入りのお店を教える「シェフがオススメするお店」、子連れで行けるお店探しに苦労したママ社員が企画した「こどものヒトサラ」など、「メディアを通して『店』と『人』をつなぐ」をテーマに様々なサービスを展開しています。

――― 黒田さんは現在、どのようなお仕事をされていますか?

私はプロダクトディレクターとして、WEBやアプリにおける機能開発や新しいメディア開発のようなプロジェクトのディレクションをしています。プロジェクトの方針を決めたり、エンジニアに開発要件を伝えたり、デザイナーのメンバーにデザインをお願いするような役目です。

プロダクトの進め方は、まず「やりたいこと」のゴールを決めて、プロジェクトメンバーで「一番良いやり方はどれか」を議論していきます。メンバーによって進め方は異なり、例えばデザイナーに対してはデザインをゼロイチで全て任せるケースもあれば、方針だけ企画側で決めてから依頼する場合もあります。

――― 黒田さん自身、そのようなことを大学で学んでいたのでしょうか?

大学では環境情報学部で、どのようなジャンルでも好きなことが学べるような学部でした。プログラミングの授業は必修でありましたが、他にも選択して受けられるような「法律」や「エネルギー」に関する授業などを含めて幅広く学んでいました。

私が履修していた授業は課題解決をするような授業が多く、毎回アウトプットを求められていたんです。成果物を提出し、その完成までのプロセスを含めたプレゼンテーションをすることが多かったので、今でもその経験がプロダクトデザインの領域で活かされていると思います。

――― 様々な部署が連携をしながらプロジェクトを進めていく上で、大切にされている仕事のこだわりはありますか?

コミュニケーションのとり方と内容にはこだわっているつもりです。人に何かを伝えるということはとても難しくて、入社したての頃は、チームの人に対してまず「正しく伝える」ということが課題でした。

伝わり切らない要因は人によって違うので、時には図を用いて伝えたり、具体例を出したり、論理的に話すことができているのかを客観的に意識しています。

また、効率的に伝えることができるように「最低限のこと」に要点を絞って伝えたり、ディレクション側の意図だけに執着せず、制作側の意図も汲み取りながら、方針を一緒に考えていくこともあります。

――― 最も印象深い仕事を教えてください。

入社して半年の頃、「ヒトサラ」のアプリがリリースされたときが印象深いですね。「ヒトサラ」は私が入社した時点ですでにサービスとしてローンチしていましたが、WEB媒体のみの展開だったので、サービスを改善しながらより良いアプリにしていこうという時期でした。

UI・UXのデザインに力を入れていくという方針は決まっていましたが、私を含めてUI・UXに関する知見がなかったため、専門の会社と共同で、調査から設計までを進めていきました。

まずは、「ヒトサラ」を利用するターゲットを中目黒や青山にいる仕事帰りのビジネスパーソンと想定していたので、「グルメサイトのようなサービスを利用していますか?」といったオンラインのアンケートや、街頭インタビューを行いました。

そのアンケート結果から課題を見つけ出し、アプリの設計やデザインに反映していき、エンジニアに開発を進めてもらうといった工程で進めていったんです。

WEBやアプリというのは、今や誰でも見ることができる時代なので、普段スマートフォンでアプリを利用するユーザーとしては、自分が携わっているアプリが世の中にリリースされ、友人や家族にも見てもらえたときはとても嬉しかったですね。

実はヒトサラのアプリを次のステージへ進めるべく、大幅なリニューアルアップデートを行ったところなので、ぜひ皆さんにはダウンロードしていただきたいです!

みんな最初はできなくてあたりまえ。常に考える癖と、正しい知識が仕事を楽しくする。

――― 新入社員が専門的な知識がない状態で企画職として入社する場合、どのように仕事を覚えていくのでしょうか。

まず最初は「考えること」を鍛えるトレーニングから始めます。データから課題を見つけ、調査をし、課題の仮説を立てる。そのうえでマーケティングのデータ解析ツールを使用して、自社メディアの中で解決ができる点を見つけていきましょう、といったトレーニングです。

いきなり「このプロダクトをやってみようか」と言っても難しいので、先輩から新入社員に対して細かく指示を出したり、要件を伝えたりして「自分で考える癖」をつけていくようにしています。

逆にデザイナーは、既存のWEBページを真似して作ってみるといった実践の作業でトレーニングをしていきます。そこから、「ヒトサラ」の新しいページを作成し、徐々に業務に慣れていくイメージですね。

このように最初はトレーニングをしながら業務に慣れていき、実際のプロジェクトに携わっていくことになります。

もちろん研修もあります。USEN Mediaでは新入社員としての最初の研修は、職種に関係なく全体で実施します。市場にはどのようなメディアがあるのか、商材知識や基本的なマーケティングの知識を学び、その後はそれぞれの役割に応じた研修をしていきます。

何を目的にどのような業務をしているのか、どのような想いがあるのかを座学として勉強していきます。今は全てのセミナーを撮影しているので、アーカイブとして後から見直して勉強することも可能になりました。

――― 入社するにあたって、何か特別な資格は必要でしょうか?

資格はないよりあった方が良いと思います。

会社の制度として、会社が推奨している資格取得時に申請すれば、受験料や取得支援金などの補助金が支給されます。対象となる資格は仕事に活かせるものが揃っています。例えば、USEN Mediaの社員は “フードアナリスト” の資格を取得している人が多いです。飲食店のオーナーは「食に関するプロ」なので、フードアナリストを勉強しておくと「食」に関する知識がつき、お客様と対等にお話ができたりします。

USEN Mediaでは訪日外国人のためのグルメサイト 「SAVOR JAPAN」 も展開していますので、 ”インバウンドディレクター(インバウンド実務主任者)” も推奨されています。この資格は食に関することだけでなく、旅行に関する知識も必要だったりと、インバウンドにまつわる多角的な知識を学ぶことができます。

世の中に対して発信するメディアを作るということは、もちろん間違った情報は掲載できませんし、クオリティが重視されている時代でもあるので、知識があるのはとても大きな強みだと思います。

お客様の大切な瞬間のサポートができたら。それがこの仕事をしていて一番嬉しい瞬間。

―――「ヒトサラ」はどのようなユーザーをターゲットにしていますか?

「ヒトサラ」は、今や単なる「グルメ検索サイト」ではなく、飲食業を取り巻く様々な情報を発信する「グルメメディア」です。そのため、食にこだわりがある「アッパーミドル」の層を狙っています。

社会人になり、お金に余裕がある30代以上の方をメインターゲットとして、どのようなシーンにおいてお店探しで困っているのかを想定して、サービスを制作しています。例えば、マネージャークラスの方の接待や会食のシーンを想定し、個室や喫煙・禁煙のような条件を記載し、お客様に喜ばれるお店を見つけやすいようにしています。

他にも、記念日、デートのようなシーンでは夜景がきれいなお店を想定して、探しやすくしたりしています。「ヒトサラ」の利用者は男女半々ぐらいで、会食や接待のシーンでは男性が利用する割合が多く、女子会のようなシーンでは若い女性に多くご利用いただいています。

―――今後、「ヒトサラ」が狙っていくターゲット層はありますか?

「食」というのは年齢問わず、皆さんがお好きだと思います。「ヒトサラ」はアッパーミドル向けのお店を掲載していますが、全国的には価格的にカジュアルなお店が多く、そのようなお店を探したいユーザーの方も多いです。今後は、そのようなユーザーにもご利用いただけるサービスを展開していけたらなと思っています。

――― コロナウイルスにより、黒田さんは外食産業にはどのような影響があったと感じますか?

日々状況が変わりゆく中なので、これからも影響はあり続ける前提ではありますが、1つ言えることはコロナショック以前の世界に完全に戻ることは、ないと思います。

ヒトが生きるための「食」としての外食需要がなくなることはありませんが、確実にその市場は「外食」以外のフィールドへ広がりを見せています。一方で食欲を満たすだけではない「食事」体験を求める人々の思いもなくなることはないはずですし、そういった体験を提供し続けたいと思う料理人・飲食店の方々の想いもまた、なくなることはないと思います。

あえて「外食」にフォーカスしてお答えするのであれば、世界はまさにその「答え」を模索している真っ最中かと思いますし、「答え」は決して1つではないと思います。我々ヒトサラとしては、これまで繋がっていただいた料理人の方をはじめ、「食事を提供する側」に寄り添って、新たなカタチを体現するお手伝いができるよう、必要とされるその次の存在へと邁進したいと考えています。

――― 最後に、USEN Mediaで感じる一番のおもしろさを教えてください。

「食」は日々の生活と切っても切り離せないものです。自分以外の誰かの特別な食事や出会いといった、そんな特別な時間をサポートできることがとても嬉しいことだと感じます。

職業柄、いろいろな料理人さんと出会い、「食」というものに詳しくなっていくので、たくさんのお店を知ることができたり、自分が携わったアプリやメディアが世の中に出て友達や家族に使ってもらえるというのがやりがいでもありますし、おもしろいと感じますね。

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