お店の好循環の創出から地域を活性化。USENが「無料」で開業の夢を"カナエル"理由

ーーcanaeruとはどのような経緯で立ち上がったサービスなんですか？

canaeruは、「USENがBGM以外にも飲食店に貢献できるものはないか」という視点から立ち上がりました。お店の開業支援から閉店後の手続きに至るまで、様々な場面で原則無料でサポートしています。

「お店を始めたい！」と思っても、実際には何をしたらいいのか分からないし、開業に必要な手続き等について事前にしっかり調べないとハードルが高いですよね？canaeruは物件探し、資金・事業計画書作成、内装業者の紹介、店舗に必要な商材の仕入れなど、開業までのサポートにフォーカスしたサービスです。

年間の開業相談者数は約4,400人で、2016年以降canaeru・開業サポート経由で開業した店舗数は約1,300件にのぼります。


ーーそんなに多いんですね！開業支援や閉店後の手続きのサポートを無料にしているんですか！？

そうですね（笑）一般的な開業コンサルタントは例えば1,000万円の資金調達をお手伝いした場合、10%〜20%、つまり100〜200万円を手数料として取ることでビジネスを成立させています。

私たちは開業希望者を必ず無料でサポートする。同業にあたる開業コンサルタントからは「よく無料でできますね」って言われますよ（笑）でも、お客様の立場に立ったら無料がいいじゃないですか。


ーーたしかに。無料でサポートしてもらえるのはありがたいですね。特にお店を開くときは資金が十分にある人ばかりではないと思います。僕はこの間、とある仲介手数料に多額の金額を支払って苦い思いをしました...


ーーそもそもcanaeruはなぜ無料でできているんですか？

簡単に言うと、canaeruは販促施策の1つなんです。canaeruをきっかけにUSEN-NEXT GROUPの店舗DXを知っていただき、開店後も長くお付き合いをさせていただきたいと考えています。

サービスを契約するまでの従来の流れとしては、例えば営業の方が街で新しくお店を始めるオーナさんを見つけて「BGM、レジ、ネット回線はもう決まってますか？」と提案を試みるんです。でも、開店間際であるお客様はすでに様々な準備を進められていて、お店に必要な機材等が決まっている場合が多いので、USENの商材は契約してもらえないわけですね。

つまり、当時は営業のタッチポイントが遅いこと、少ないことが大きな課題の1つでした。せっかく色々な商材を取り揃えても、お客様になかなか届かないということです。

canaeruはもっと前段階のタッチポイントでUSENの商材を提案できるため、お店を始めようとしてる方の開業支援を無料で行い、ゆくゆくは開業したお店でUSENのお客様になってもらうというビジネスの形を取っています。

また、私たちは開業時だけではなく、閉店し撤退する際に、店舗を原状回復させるなどのところまでサポートしています。そして、その空いた店舗物件に新しいオーナーさんを見つけてくると同時に、撤退したオーナーさんが再出店を望めばそのサポートもするんです。

そうすることでUSENの目指すバリューサークルのように、飲食店が好循環し続ける流れを作ることができます。

ーー飲食店の開業にあたって、どのようなサポートを行っているのですか？

オーナーさんが新しくお店を始めたいと依頼してきたらまず、開業サポートチームが担当します。開業サポートチームには専門性のあるメンバーが集まっていて、元銀行員、元不動産会社経験者、元飲食店オーナーなど、開業するにあたって知識や経験が必要になるジャンルのプロが開業のサポートに尽力します。

彼らはUSENの代表取締役社長、田村さんが「調べて身につけた知識ではなく、実際にやっていた経験に基づく知識でサポートすべきだ」という想いから集めたエキスパート達です。

ですので、例えば開業資金調達の相談を受けた場合、事業計画書を見せていただき問題点を指摘して「この部分をこのように変更しましょう」ということを、金融機関の目線からアドバイスすることができます。


ーーcanaeruを、今後どのようなサービスに成長させていきたいですか？

1つ目は認知をさらに拡大させること。今はまだ、日本全国のお店を始めたい人が、「飲食店を始めるならcanaeruだよね」って誰でもが思うというレベルではないので、そのマーケットでの認知度をもっと高めていきたいですね。

2つ目は、飲食店だけでなく、美容室など業種業態を問わずサポートできる体制の強化もしたいです。

もちろん、USENのソリューションをご使用いただくことがcanaeruのミッションではありますが、街にお店が増えることをサポートすることで地域活性化に貢献し、さらにその積み重ねで経済の発展にも寄与できたら素晴らしいことだと考えています。